5月31日(火)の短い時間、木星の軌道を共有する小惑星が、地球の一部から見えるようになります。トロヤ群小惑星18493デーモレオーンが、遠くの恒星の前を通過し、わずか数秒間ですが、その輪郭が地球上の観測者にはっきりと見えるのです。

日本にいるユニステラの観測者は、その現象を見ることができます。18493デーモレオーンの掩蔽は、日本時間の20:42に始まり、東京を含む日本列島の真ん中を通る経路で見ることができます。この現象は約3分間続きます。以下の日本地図をご覧ください。デーモレオーンの経路を示す赤い線の中心付近にいる観測者には、3秒間小惑星が見えます。

観測に便利な情報

この情報以外は、TOI 2010.01についてはまだ明らかになっていません。直近では、カナダの宇宙望遠鏡によってこの惑星の 2 度目の通過観測が試みられています。 この望遠鏡に記録されたデータによれば、 来たる9 月 24 日に再び新たな通過が起こり、約9時間にわたって展開すると予測されています。 Unstellar観測者のネットワークにとっては、350光年 (3000兆km!)以上の距離にあるはるか彼方のこの太陽系外惑星を一丸となって観察するチャンスが到来します。 さまざまな国からUnistellarのアマチュア天文学者が観測を行うことを通じて、謎の惑星を解明することができます。

デーモレオーンは、木星の公転軌道に沿うトロヤ群小惑星の一つです。直径は約33キロメートルで、非常に暗い色をしています。デーモレオーンは、ギリシャ神話に登場する人物で、アキレスに殺された伝説のトロヤの戦士にちなんで名づけられました。しかし、この戦士の名を冠した小惑星のことはあまり知られていません。天文学者はデーモレオーンがどのような形をしているのか知りませんが、今回の観測でそれが変わるかもしれません。掩蔽から十分なデータが得られたら、デーモレオーンの 3D形状モデルを作成でき、もっと深く理解することができるでしょう。

木星のトロヤ群の位置 出典:毎日新聞

5月31日(火)にデーモレオーンを観察する方法をご紹介します

ユニステラのホームページのOccultation Predictions Page で、プルダウンメニューから「Japan」をクリックし、「18943 Demoleon」を選択します。掩蔽の経路を示す日本地図が下に表示されます。そして、地図を拡大すると、掩蔽を観察できる正確な位置がわかります。地図の上には、デーモレオーンが恒星を掩蔽する時間や赤緯など、そしてeVscope の正しい露出とゲイン設定も、観測に必要な情報がすべて表示されます。初めての掩蔽を観測される方はこちら

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