
ユニステラー市民科学者つちやまひろあき氏とeVscope
Unistellarのネットワークでは日本より初めて市民科学者による快挙を達成しました!Matsushita Hiroshi さん、Tsuchiyama Hiroaki さん、日本Unistellarコミュニティで初めてのご活躍、おめでとうございます。すでに活気溢れるeVscopeを活用している日本の市民科学者によるコミュニティにおいて素晴らしい最初の一歩となりました。
2021年5月22日、Unistellarの市民天文学者であるMatsushita Hiroshiさんは、富士山付近にあるヘリオ(小惑星)として知られている小惑星帯の小惑星の観測に成功し、より正確なサイズの判定に貢献しました。彼はこの10秒間を記録するためにそこまで足を運び、ヘリオが明るい星の前を通過することでその星が消えるところを観察しました。
Matsushitaさんの観測の結果は、小惑星ヘイロのサイズは128kmであることを示唆しています。この直径の予測はNEOWISE(NASA開発の広域赤外線探査衛星)による宇宙望遠鏡による観測から公表されているヘリオのサイズ、110-150kmに非常に近いだけでなく、より正確なものとなっています。

895ヘリオの通過により星から地球への光が一時遮断されることが見られる土山氏の観測結果
2021年3月25日、ユニステラー市民天文学者のTsuchiayama Hiroakiさんは特定の詳細を非公開にするために、UE4(Unistellar Exoplanet number 4)と名付けた太陽系外惑星候補の通過を検出することに成功しました。太陽系外惑星候補とは太陽系の外にある可能性のある惑星の候補です。UE4はNASAのトランジット系外惑星探索衛星より300光年以上離れた場所で発見されましたが、惑星であるかは未だ明確には証明されていません。この観測やその他観測により、UnistellarとSETI協会の天文学者はUE4が公転周期10~100日ほどの「ウォームジュピター」候補であると考えています。ウォームジュピターは公転周期1~10日のホットジュピターと公転周期に数百日を要するコールドジュピターの間に属します。

太陽系外惑星候補UE4の軌道観測に成功したユニステラー市民科学者土山氏
土山氏は、UE4の観測について以下のように語っています:
「UE4キャンペーンは私の系外惑星トランジットの2度目のチャレンジでした。
観測は私の自宅で行いました。
私が住む東京は光害の影響が強く、都市の郊外でもボートルスケールは7であり、良い環境とは言えません。
UE4キャンペーンの当日は夕方まで雲が多く、観測開始から30分ほどはUE4は捉えることができませんでした。しかし、その後、次第に雲が去りとてもクリアな夜空になりました。eVscopeのライブビューでUE4を捉えた時はとても興奮したことを覚えています。残念ながら、ライトカーブ(高度曲線)はトランジットの始まりを逃しましたが、その大部分を観測出来たことは幸運でした。
eVscopeは手軽に深宇宙を撮影できるだけでなく、市民科学を通して宇宙の研究に携わることができる素晴らしいプラットフォームです。」
以下のグラフは土山氏による太陽系外惑星候補UE4の光度を表します。UE4に光を遮られている間の星の光度は他の星より1パーセント微弱ですが、UE4が通り過ぎるにつれて光度を取り戻しているのが見られます。土山氏はAstroImageJを使用し自身による解析も行い、NASAのトランジット系外惑星探索衛星のデータをもとにユニステラーとSETI協会の天文学者に想定されるものと同じ結果を得ています。

このグラフのようなトランジットの光度曲線は収集したデータより太陽系外惑星のトランジットを可視化するために使われます。この光度曲線はUE4によるその前にある星の通過を示しています。通過によりその星のフラックス(明るさ)が暗くなり、通常に戻るという現象が起きています。
くぼみの大きさより星と比較した際の惑星の大きさがわかります。上の図にある灰色の円と青い四角形は経過した時間ごとの星の光度を示し、天文学的モデルを示す赤い線と比較できます。図より、UE4通過により星の光度がおよそ0.8パーセント(縦軸に沿ったくぼみ)減少するのが見られます。下の小さな図は天文学的モデルとの誤差を表します。
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